『春との旅』の上映前のプレゼンテーションで、こんなことを話しました。
今日は、ここ、VESOULで、ボクの最後の映画「春との旅」が、上映されるのは、特別な意味があります。
というのは、三年前この映画祭に、審査委員長として呼ばれたのですが、一日目の夜に日本から、電話がありました。
父が死んだとの連絡でした。
それで、ボクはすぐに帰国しなければなりませんでした。
映画祭のジャンマルクさん、マルティンさんには、大変迷惑をおかけしました。
しかし、ジャンマルクさんは、ボクをVESOULの駅まで送ってくれて、「あなたの気持ちは良く理解できる。私は、10年前に亡くなった父の死を、いまだに認めることができない」と、いい、ボクを抱きしめてくれました。
ボクと父は、最後まで、うまくやってゆくことができませんでしたが、お互いに仲直りがしたかったに違いないんです。
「春との旅」は、そんな父と、ボクとの心の葛藤をベースにして作った映画です。
VESOULから戻った、翌年の4月に撮影に入りました。
もちろん、父に捧げた映画ですが、この映画を観た、全ての父に、捧げます。
そして、今日の上映を、ジャンマルクさんに、捧げます。
今日は雨の中、ありがとうございます。
最後まで、楽しんでご覧下さい。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
10月19日に思うこと、
総裁選が大騒ぎの果てに、終わったかと思ったら、今度は、衆議院解散で、選挙だ。31日投開票だから、あまり日もない。 議員たちが、国会から引き上げる様子を見ていると、次の選挙に向けて密かに闘志を燃やしているのか、あきらめているのか、うつむき加減で、深刻な表情を浮かべている。 ...
-
仲代達矢さんとの二度目の仕事が、すすんでいる。 『日本の悲劇』と題するこの映画のシナリオを、ボクは遺書を書くような気持ちで、書き綴っていった。 とてもこれは映画にはならないだろうなあと思っていた。遺書というものは、何度も書くものではないと思うし、書き直したりもしないものなんじ...
-
知ってる人は知ってるのだが、ボクはこの映画のもとになった脚本を随分前から持ち歩いていた。キャスト欄には名前も入っていたが、実現することはなかった。 こんなことは良くあることだったが、その時は、自主制作でも作る積りでいたので、製作を中止した時は、随分と落ち込んだ。 キャスト欄に...
-
HBO製作のこのドラマ。以前にも、一度観たことがあるが、体調が優れず、ほとんどを眠って過ごした。とにかく、体力がないとドラマや映画を観ることは出来ない。体力をつけるには、とにかく食べること。それに尽きるようだ。 食欲が出てきたときには、いままで敬遠していた映画を観ることが出来る...
0 件のコメント:
コメントを投稿