今日で東京国際映画祭が終わる。
長いようで短い9日間だった。
自作の出品に加えて、コンペの審査員という大役を仰せつかって、14本の映画を観つつ、自作の上映のQAにもでかけた。
へたばっている暇もないほどだった。
14本の映画を観ながら、自作の映画『ギリギリの女たち』のことが気になって仕方がなかった。
そりゃあそうだろう。
心血注いだ映画のお披露目だ。気になるのが当たり前だし、客の反応が知りたいのは、当然のこと。
とくに今作は、色々と冒険をさせてもらったので尚更だ。
それら冒険が、どう受けいられるのか、知りたくてたまらない。
観客に拒否されて、あえなく敗退の憂き目に会うのかもしれない。
ロケ地が被災地だと言うことも気になる。
極力、神経を使って撮影に臨んだつもりだが、それが観客にはどう映ったのか?
心配を通り越して、恐怖心さえ覚えた。
しかし、そんな危惧も取り越し苦労だったようだ。
映画はお客さんに受けいられたようだからだ。
上映が終わって、スタッフやキャストと乾杯をして、その後、中村優子とそのご主人とうちの家内とで食事をして別れた後は、久しぶりに心地良い眠りが待っていた。
夢も見なかった。
そして、今日は、映画祭最終日。
クロージングセレモニーがある。
ボクは、受賞者の名前を読み上げなくてはならない。
ボクは、心から、その人の名前を読み上げるのを、光栄に思っている。
恐らくボクより歳若いその人の作品を観たとき、ボクは、「ああ、この人の作品と出会うために、映画祭の審査員になったんだな」と思った。
人と同様、映画もまた、出会いだ。
そして、映画祭の審査員として、この映画と出会ったことは、まだまだ悲観的になることはなく、映画に希望を持って臨めることを教えてくれた、かけがえのない一本だった。
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