昨夜、深夜に、塩竈にお住いの方から、メールをいただいた。
テレビで『春との旅』をご覧になったのだと言う。
何十年も寝たきりの状態で、PCも文字パネルをひとつひとつマウスでクリックして、書いたのだと言う。
「私にそれだけのことをさせる映画でした」
とあった。
読んでいて、震えた。
光栄だと思った。
ボクは数日前、ツイッターに以下の文を書いた。
[繊細さや優しさほど、忘れてしまいがちな事はないけど、それを描くのを忘れたら、映画を作る意味なんかボクはないんだな。大昔の自分が映画を観て救われたように、孤独に苦しむ人を、一人でもいいから救われた気持ちにさせたい。それが、ボク自身を救うことでもあるんだろう、]
塩竈にお住いの方が、『春との旅』を観て、救われた気持ちになられたなら、ボクは、この上もなく嬉しい。
ボクの映画も、誰かのためになっているんだと思えた瞬間だ。
以前、テレビのライターをしていた時、一通だけ視聴者から手紙をいただいたことがあった。
その手紙には、放送が終了した連続ドラマについての感想が書かれてあった。
NHKのドラマで、その手紙も、NHK経由でボクのもとに届けられた。
その手紙の主は、ボクの書いたドラマを気に入っていただけたようで、褒め言葉に埋まっていた。
ボクは嬉しくて、その方宛てに御礼の手紙を書いた。
そうすると、また今度は葉書が届いた。
その葉書には、「返信は無用」と書かれてあった。
ボクは、面食らってしまったが、返事を期待して書いたわけではないと言うことなんだろう。
今は、その気持ちがわかる。
だから、ボクは、塩竈の方からのメールに返信はしないことにした。
ただ、このブログには、書き留めて置きたい。
髭切丸@塩竈さん、本当にありがとうございました。
これからも、映画作りに精進いたします。
2012年2月16日木曜日
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