敬愛していたシナリオライターは、数えるほどしかいない。
その中のひとりが、松原敏春さんだった。
一度だけ新宿の行きつけの飲み屋でお会いした。
嬉しさのあまり度を超した酒で、ボクは愛用の万年筆を松原さんに渡した。
とにかく書きやすい万年筆で毎日持ち歩いていたものだが、軸の部分にガムテープが巻かれていた。
運転中にブレーキを掛けたら折れたからだ。
筆を折ると言う言葉を思い出したのは、家に帰ってからの事だった。
今でも、悔いることだった。
今でも、亡き、松原さんに、申し訳なかったと思っている。
あんなに、尊敬していたのに!
年末になると、必ず、思い出すことだ。
2016年12月30日金曜日
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