『風切羽』の小澤雅人監督から、『日本の悲劇』について、こんな文を書いてくれました。
小澤監督、ありがとう!
昨日、試写で小林政広監督作品「日本の悲劇」を拝見しました。
試写会場は超満員で熱気ムンムン。
エレベーター降りたらロビーが満員電車状態。皆さん殺気立って良い席を取ろうと足早に会場に駆け込む。
そんな光景や、YouTube予告編の記録的な再生回数を見てもその期待の高さが伝わってくる。(再生回数19万回!!)
最後列からスクリーンを見据える。
冒頭からしびれる長回しが続き、徐々に仲代達矢さんと北村一輝さんのミニマルな世界に引き込まれ圧倒される。
あんな北村一輝さんは見たことない。
TVCMの北村一輝さんからは想像もつかないほど弱く愚かで、みっともない。
嗚咽を吐きながら、一向に姿を見せない父、仲代達矢さんに懇願する。
満員の客席からスクリーンに注がれる眼差しは一刻も途切れることなく、あっという間に100分が終わってしまった。
それだけスクリーンに釘付けになっていたということに終わって気付く。
ミヒャエル・ハネケの「愛、アムール」を思い起こさせる密室劇。
ハネケと違うのは、扉一枚挟んでそこに物理的な接触がないこと。
その「関係の不在」の中に、日本の悲劇を見た気がする。
今この時代に必要とされ、そしてそれを見事に受け止めてくれる映画。
これを観ずして13年の映画は語れないと思う。
個人的には、終わり方が大好き。
鳴り響く電話が意味するものを、あれからずっと考えている。
「日本の悲劇」は8/31公開。
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