彼は、国中を旅したのさ
そして沢山の人生を唄い続けた
夜のその一時に 幻をなくしながらも
今も国中を旅しているのさ
いやしきれない心臓を高鳴らせては
会ったこともない人と語り明かした
行ったこともない町の片隅で
素敵な女の子に抱かれているのさ
小さな町 明るく輝いている光
そして、働き者はいつだって陽気だった
誰もがその通り 旨く行っていた
そして、カウンター隅には酔いつぶれた男が、ひとり
いつだって夢を見ることは簡単なこと
自分のなれなかったたくさんの人生を
冷え切ったベッドの中で歌い続けた
ただそう、それだけのこと
静まり返った夜
彼は歩き続けた
まるで何もかもが冷え切ってしまうようだった
でも、次の朝がわけなくやってくるように
その幻をまぎらわすことを知っていたんだ
いやしきれない心臓を高鳴らせては
会ったこともない人と語り明かした
行ったこともない街の片隅で
素敵な女の子に抱かれているのさ
小さな町
明るく輝いている光
そして、頭の中ではスイング・ジャズが鳴り響いている
正しいことなんて何もないんだ
そして 間違っていることなんか何もないんだ
いつだって夢を見ることは簡単なこと
自分のなれなかったたくさんの人生を
冷え切ったベッドの中で歌い続けた
ただそう、それだけのこと
2010年11月12日金曜日
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