晴れ。
朝食は、ラーメンに生卵と刻んだネギをたっぷり入れて食べる。
昨夜は寝つきが悪い上に、早くから目が覚めてしまった。
だから、頭が重い。
そんな何やら重苦しい気分の中で、
『流れる』観る。
幾分気分が晴れる。
観るたびに、深みが増す。
芸者置屋の経済事情と言えばそれまでだが、田中絹代、山田五十鈴など、演技の火花が散る。
演出とは、優れた役者からさらに優れた演技を引き出すことのみなのかも知れない。
成瀬作品を見続けて、あと、三本。
そんな感慨を抱いた。
宮口精二が男の中では唯一異彩を放っている。
地味と言えばこんなに地味な話もない。
『女が階段を上る時』、観る。
今度はバーの経済事情。
『流れる』から六年。
ずっと成瀬映画を観て来て、おなじみのキャラクターたちがとっかえひっかえ現れるのに気付く。
この辺をまとめると面白いかもしれないが、ボクの仕事ではないかもね。
『放浪記』、観る。
ようやく観たという感じ。
思っていた以上に面白い。
高峰秀子の演技が秀逸。
宝田明も、頑張ってる。
宝田のラストの台詞は、作り手の林芙美子感なのだろう。
『乱れ雲』、観る。
最後の成瀬作品は、メロドラマで終わる。
ラストが弱い気がしたが、これでいいのだろう。
十和田湖と、そこの旅館がなんとも、東北の旅館といった感じで、味わい深い。
森光子、加東大介、好演。
司葉子は、美しすぎて…。
駆け足で、DVDボックス、二巻を全て観た。
いい意味でも悪い意味でも、スタジオ時代の遺物という感は、否めない。
こんなドラマが、今の世知辛い世の中で作れるわけがないと思うか、いや、作ってみせると思うか。
それは、人それぞれだろう。
きちんと日本映画を観たのは、小津、溝口、黒澤に次いで、四人目。
後で、じんわりと沁みてきそうだ。
さあ、明日からは、何を観よう。
しばらく、比較的新しい欧米の映画を観ようか。
2010年7月21日水曜日
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