気仙沼で、打ち合わせ。
夜、『ミセス・ダウト』観る。
今では、クリス・コロンバスと言えば、『ハリー・ポッター』と言うことになるんだろうけど、ボクにとっては、ロビン・ウィリアムズと組んだ、この作品。そして、『ホーム・アローン』の方が重要だ。第一ボクは、『ハリー・ポッター』を観ていない。いつか観るだろうけど、今もまだ観たいとは思わない。きっと面白いんだろうけど、あれだけ原作がベストセラーとなり、映画の方も大ヒットしたりすると、ボクとしては観る気が失せてしまう。CGを駆使した冒険ファンタジーと言うのも、あまり食指が動かない。
クリス・コロンバスの名を最初に知ったのは、もちろん『ホーム・アローン』だったが、ジョン・ヒューズの脚本を、ジョン・ヒューズ当人より巧みに演出した人として、ボクは記憶している。『ホーム・アローン』の演出には随分驚かされた記憶がある。そして、『ミセス・ダウト』。こちらの方は、ジョン・ヒューズ脚本ではないが、コメディー演出の巧みさは、他の追随を許さないほどだ。素晴らしい。『ハリー・ポッター』以降、大作ばかりを作っているが、得意のホームコメディーを作ってほしいものだ。
ボクにとってこの映画は、とても思い出深いものがある。
何しろ、最初に観たのは三十代の終わりで、ボクは離婚して、ひとり暮らしをしていた。
その時、この映画を観て、ひとり感極まって泣き出してしまったことを覚えている。この映画の影響から、シナリオも書いた。確か、女が男に変装するといったものだったが、あちこちに映画化の話をしたものの、ものにはならなかった。孤独を噛みしめながら、ひとりせっせとシナリオを書き続けていた時代だ。
今観ると、あの頃と何も変わっていないことに愕然とする。
もちろん今のボクには家族がいるが、抱えている問題は、あの頃と一緒だ。
お金の心配と、次回作のシナリオ。書かなければと言う思いと、何もアイデアが浮かばない恐怖感。家庭の経済事情。『武士の家計簿』と言う映画が製作されるらしいが、ボクの家計簿はデタラメで、行き当たりばったり。でも、今、ここで、息しているボクがボクなのだ。
寝つきが悪く、横になっても、うまく眠れず、起きだして不安にかられた。
これも、以前のボクと何も変わっていない。
2010年7月31日土曜日
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