いよいよ、七月も終わる。
今日と明日は、気仙沼の「みなと祭り」。
今日は、昨日入手した『稲妻』と『さらば冬のかもめ』を観ようと思っている。
大映の成瀬作品を観るのは初めて。
楽しみだ。
『さらば~』は、ビデオとレーザーで持っているのだが、比較的安価でDVDを手に入れた。
『稲妻』も同様。
『幕末太陽伝』も売っていたが、こちらは、買わなかった。
ボクはどうもこの映画は好きになれない。
どうしてか判らないが、嫌なのだ。これは生理的なものだから仕方がない。
それでも、帰りの車で、買っておけば良かったと悔やんでいる。
どうしてだろう…?
心底嫌いな映画なんて存在しないに違いない。
映画であれば基本的に好きなのだ。
あとは、観るタイミングだ。
その日の気分や体調も大きく影響しているのはもちろんのことだ。
去年は、『白夜』と『春との旅』で、一年間が終わってしまい、『春との旅』だけが今年に持ち越されている。この後、気仙沼での上映会があり、名古屋近辺での、上映会に行かなければならない。来年の二月なんて言う予定も入っている。
一昨年は『ワカラナイ』の製作。
こちらの方は、とっくに国内での上映は終え、DVDにまでなっているが、海外の映画祭では未だに声が掛かる。
何本かの映画が国内はもとより海外で上映されるのは嬉しい限りだが、映画の本当の評価は、いつまでも残る映画かどうかと言うことだ。
そういう意味では、ボクの映画は、まだ産声を上げたばかりだともいえる。
あと、20年か30年。
最低、それぐらい経たないと判らないだろう。
もちろんボクは、もうこの世にはいない。
だから、自分の映画の行く末は判らないけど、せめて生きてる間に、100年は生き続ける映画を一本でも作ってみたい。
映画を志したのだから、そんな妄想を抱くのは当たり前のことだ。
もちろん、至難の道だと言うことも判っている。
日中、こちらでは虫の鳴き声で、うるさいほどだ。
色んな鳴き声が聞こえる。
虫はなぜ鳴くんだろう?
自分の存在を知らせるために鳴くんだろうか?
もしそうだとしたら、人間も同様だな。
人間は鳴きはしないが、言葉を発する。
声が届かないところには、ツイッターなんてのもある。
『稲妻』観る。
大映での成瀬作品。
原作は、林芙美子。
『めし』が評価され、大映に招かれて作ったのか?
しかし、作品のグレードは、『めし』の方が遥かに良い。
これは、原作の問題も大きいのではないか?
いや、小説としては悪くはないのかも知れないが、映画にするような題材ではなかったのかも知れない。
ボクとしては、何とも消化不良。
ま、もう一度観てみないと判らないことだけど。
「みなと祭り」のはまらいんや踊りに出かけた奥さんと息子を迎えに気仙沼へ。
もどって、ビールといなり寿司。
映画祭もそうだか、ボクはあまり祭りと言うものが好きではない。
だから、あまり行かない。
子供のころからそうで、何度親父に叱られたことか。
でも、息子も奥さんも祭り好き。
健全な母子だ。
時どきうらやましいと思う時もある。
でも、仕方ない。
今更、自分の性格が変えられるわけもない。
ボクは昔から偏屈で、難しい。
そう言う自分も引き受けなくてはならない。
淋しいが、仕方ない。
親からの愛情たっぷりに育ったら、こんな男にはならなかったかも知れない。
博打好きの気性の荒い父親を持つと、こうなると言う見本だな。
だから息子には、ボクの影響で育って欲しくない。
ボクの二の舞は御免だ。
そんな連鎖は、要らない。
『ウォーク・ザ・ライン』観る。
観終わったら、もう夜が明けていた。
ジョニー・キャッシュの人生を描いたこの映画を観て、改めて知ることが沢山あった。
それまでボクは、低音を効かせたナッシュビルのカントリーシンガーとばかり思っていた。
ゴスベルに馴染み、カーターファミリーを子供の頃から聴き、兄を亡くし、ジューン・カーターと再婚したことなど、何も知らなかった。
歌手として成功しながらも、父親に認めて貰えない淋しさに、とても共感した。
もちろんボクは、成功者ではないが、父親から褒められたことはなかったからな。
しかし、ジューン・カーターとの結婚が、キャッシュを再生させる。
舞台でのプロポーズには、観ている方が照れくさくなったが、このぐらいのことがあった方が、いいのかも知れない。作為的の上を行く作為だな。
しかし、ずっと考えていたこととこの映画の根底に流れるものが見事に一致したのは、偶然だが、偶然もまた、必然がもたらした結果なのかな。
2010年8月3日火曜日
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