盛岡へ。
何度かこの町には来たことがあるが、いつも乳頭温泉に行く途中だったりで、この町を見るのが目的の旅をしたことがなかった。
でも、今回は違うとの決心で出かけたのだが、やはり市街には泊まらず、少し離れた「つなぎ温泉」に宿をとった。
盛岡のさんさ踊りは、東北ではかなり有名なお祭りらしく、東北五大祭りにも入っているという。
しかしボクは唐桑の「若葉寿司」で知り合ったYさんに聞くまで、知らなかった。
もともとお祭りがそれほど好きではなく、子供のころから、家族で神田のお祭りなどに行くことになると、何かと理由をつけて留守番を決め込むくちだった。
とにかくひねくれているのだ。
人が集まるところというのが好きではない。
とは言え、ひとりでいるのも、苦手で、祭りの日、留守番となったボクだが、家にいるわけではなく、早速気の合う友だちと連絡をとり、囃子の音が聞こえる喫茶店に集まって、無駄話にこうじてたりした。
でも、今回は違うぞ。
お祭り好きの息子は喜んでいたが、宿の予約をしてみると、二食付きしか受け付けていないようなのだ。
しかも、「つなぎ温泉」は盛岡市内とは言え、さんさん踊りのある市街から、車で10分は走らなければならない。
ビールも飲まずに、お祭りを眺めるのも、あほらしい。
結局、市内に立ち寄ったものの、踊りは見ずに宿に入り、その日は、宿で過ごすことになってしまった。
息子は怒った。
しかし直ぐに機嫌をとり直し、風呂に入るとさっそく、はしゃぎ出した。
ところがだ!
楽しみにしていた露天風呂は、虻の発生で、注意書きの張り紙がしてあり、それでも構わず入ったのだが、ボクの頬に虻が止まり、はたき落としたら、次々と大きな虻の襲来に見舞われ、息子とボクは、あっけなく退散。
露天風呂と繋がった内風呂に入り、なんとか温泉気分を味わった。
「夕飯をとったら今度は大浴場だな!」
ボクはビールを飲みながら息子に宣言したが、部屋に戻ったら、布団が敷かれていて、横になったら、そのまま眠ってしまった。
風呂に入ってから、体が重く、歩くのがやっとだ。貧血状態なのだ。
どうやらボクの体に温泉の湯は、刺激が強すぎるようなのだ。
風呂場の入口の注意書きにも、腎不全の人の入浴をお断りする旨の注意書きがしてある。
結局、大浴場の方は入らずじまいとなってしまった。
それでも息子は、ことのほかこの宿が気に入ったらしく、「また来ようね。今度は、虻のいない冬に来ようよ」と繰り返す。
ボクとしては、今回が最後で、もう死ぬまで、温泉には入れないと思っていたので、少し悲しくなるが、まだ今年の冬なら何とか大丈夫だろう。
「よし! もう一度来るか!」
と息子に言った。
ひと眠りしたら、深夜に目が覚めてしまい、奥さんとさしでビールを飲んだ。
息子は熟睡していて、びくともしない。
色々話していたら、夜が明けて来た。
二本目のビールは、半分も飲めなかった。
2010年8月7日土曜日
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