2010年8月12日木曜日

2010/08/05

近くの大工さんが来て、雨どいの修理をしてくれている。

ボクは、お昼に、気仙沼へ。

上映会、最後の打ち合わせ。

帰りに、玉子と牛乳買う。

糖尿の時は、玉子などは、コレステロールが高いので控えていたのだけど、腎臓となると、カロリー制限の他に、塩分、タンパク質の制限があり、少量の高タンパク。特に、に玉子、肉などをとった方がいいと言うので、毎日、玉子を一個は食べる。肉は、焼肉なら、一切れかふた切れ。

それで一食は、おしまいと言うことになる。

空腹を満たすのは、でんぷんが一番いいのだが、タンパク米、タンパクパンなど食べては見たが、ほんとうに味はひどいもので、これを食べるなら、ひもじい思いをした方がいいという気になってしまう。

でも、カロリーを摂らないと、てきめんに無気力になるし、第一、体が動かない。

難しいところだ。

日が暮れてから、ペキンパーの『ゲッタウェイ』観る。

若いころは、ペキンパーの映画というのは、それほど好きではなかった。

トリュフォーは、映画にスローモーションはあり得ないという。映画的ではないというのだ。むしろ、ストップモーションだと。

ボクもそのように思った。

スローモーションは、使い方によっては必要以上にセンチメンタルになるきらいがあり、一瞬を記憶にとどめるストップモーションの方がより洗練されたオプチカル処理だというのだ。

事実、トリュフォーは一切、自作の映画でスローモーションを使っていないし、見事なほどの、まさに、映画史に残るようなストップモーションの使い方をしている。『突然、炎のこどく』のストップモーションでとらえたジャンヌ・モローなどは、今でもしっかりと脳裏に焼き付いている。

だからというわけではないが、アクション映画にスローモーションを取り入れたペキンパーの映画は、映像美とか、映画の美学とかもてはやされたが、ボクとしては、退屈な、センチメンタルなものでしかなかった。

デ・パルマの映画も同様だ。

しかし、今、そんな若いころの映画の見方から離れて、単純に映画を楽しむようになって、ペキンパーの代表作であり、ヒット作である『ゲッタウェイ』を観ると、その見事な演出ぶりに舌を巻かざるを得ないのだ。

素晴らしい!

としか言いようがない。

映画は、主人公のスチーブ・マックイーンが、銃砲店でショットガンを手に入れてから、我全、熱を帯びてくる。

そして、ラストのまさにチャップリンの『街の灯』同様の、走る車のバックショットまで、主人公とその妻、アリー・マッグローの逃走劇は続く。

この映画を、ハッピーエンドととるむきは、初めからこの映画を観る資格すらないと思う。

他のペキンパー作品を観ればいい。

『ワイルド・パンチ』でもいいだろうし、『砂漠の流れ者』でもいいだろう。むしろ、それらの映画の方が、ペキンパーらしさは出ている。

しかし、ボクは、今、過去にペキンパーを否定していた人間として、この『ゲッタウェイ』を推したい。

サム・ペキンパーという映画作家の個性が100パーセント出た映画ではないのかも知れないが、この優柔不断で、決断力のない、小市民的なコソ泥が、妻の裏切りから男として成長していく様が、あたかも良質な文学作品のように気品に満ち描かれていく。

もちろん、ペキンパーの映画に付きものの暴力も、ある節度の中で、美しく描かれている。当時の大スター、スティーヴ・マックイーンを主人公に迎え、ペキンパーは職業監督としての仕事をこなしたばかりか、自身の代表作にもしている。B級映画のお手本のような映画だ。

この映画のシナリオは、ウォルター・ヒル。彼の出世作と言ってもいいだろう。無駄のないそのシナリオ作法には、学ぶところも多いに違いない。

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